2007年7月25日水曜日

社会人の恩師 Part 2 (I I I 部長)


社会人になると、いろいろと複雑な、大変な、厄介な出来事が起こるもので、そんな状況下において、適切なアドバイスを与えてくれたり、叱咤激励をしてくれる恩師みたいな人が存在する。まさに、僕にとって、厄介な出来事が発生しました。 僕の性格上、新しいこと好きですし、頑張って、石の上にも3年は耐えるのですが、3年を経過すると、一気に厄介な病気に掛かる。(病名=どうでもいいジャン病)。
奥さん曰く、この“どうでもいいジャン病”が、厄介でしょうがないらしい。ある時まで、情熱で鼻息荒い旦那が、ある瞬間から、「あれ?今日は、定時で退社なの?どうかしたの?」ってな質問に、「どうでも~♪、いいですよぉ~♪」ってな回答だから、たまげるし、こけるし、ムカつくし。。。僕の言い分としては、人に2倍の時間を費やして、無呼吸、無給水で全力疾走してきた訳で、3年経過するということは、通常の6年分を消耗している訳で、そりゃぁ~、仕事に飽きるわぁ!ってのが主張だけど、まぁ、これも、勘違い程々しい、天狗発想から来る馬鹿思考としか言いようがない。
そういう時に限って、上司との関係も上手く行かない。天は試練を与えるものである。やる事なすこと、直属上司に認められず、それは腹の立つ事ではあるが、冷静な直属上司は、そんな555のどうでもいいジャン病をお見通しなのかもしれない。 そこで、登場してくれたのが、他部署のIII部長。もともと、他部署ではあるが、社内業務の延長線上、一緒に仕事する事も多かったし、気さくな方なので、OPENに悩み相談に乗ってくれたりもした。でも、他部署の部長と、一般ヒラ社員との階級社会における礼儀は、心得ているつもりで、直接、相談した事は今までなかった。
そのIII部長の部下でもあるMMM課長と、タバコルームで、「最近どうよ?」ってな質問に、駄目社員な僕は、「最近、駄目っすよ!一層の事、拾ってください!」みたいな本当に駄目回答をしてしまった。すると、MMM課長は、「内の部署に来いよ。引っ張ってあげるよ。まずは、III部長に聞いてみるけど・・・」ってグイグイ展開していった。「ちょっと、マジで、こまるっすよ!」ってな、階級社会において上位ランク者に対し、また、年配者に対し、敬語も使えない駄目回答すると、「全然、気にする事はない。III部長と会話して、最終判断するのは、555次第。聞いて、相談して、損はない!」っと、なぜか、III部長、MMM課長、555の3人だけで、会議室にいる。 III部長は、「そうか、悩める年頃だねぇ~。うちに来いよ。まぁ、一年間は、日本で業務覚えたら、2年後には、イタリアでもアメリカでも好きなところに飛ばしてあげるよ。でも、555部署も、出さない可能性があるなぁ~。そしたら、重役に言って、一本釣りするよ。どうだ、うちに来ないか?まぁ、じっくり、考えて、答えを教えてよ。うちは、Welcomeだよ。ってな言葉を頂く。この出来事は、急展開ってのも驚いたけど、稀なキャリアパスを提示してくれて、他部署からも、まぁまぁ、評価されているようで、嬉しく感じたし、僕の優柔不断な性格に、時間的ピリオドを与えてくれて、凄く感謝するMomentでした。
その後は、すぐに、自分の直属上司、さらにその上の上司(TTT部長)と相談し、自分の悩み、希望、将来像を会議室という密室で相談した結果、他部署のIII部長へはお断りする事を最終決断する事になる。まず、E-mailで、お断り文章を送信したところ、感動する回答が帰ってきた。「555君を見ていると、自分が30代の頃を思い出す。仕事に情熱的で、自分のやりたい方向ってのも見えてくる。その中で、上司との辻褄あわせに難航し、時間を奪われ、しっくり来ない事も想像できる。誰もが経過する道。今回の555君の判断を尊重するし、それが、ベストの回答でもあると思う。頑張ってくれ!」みたいな、正直、今でも、そのメールは永久保存として保管している。ありがたい、お言葉だ。
その後、III部長のデスクを訪問し、「この度は、どうも、ありがとうございました!」みたいなお礼をしに行った際に、まぁ、気さくなOPENな方なので仕方ないが、フロアーじゅうに聞こえる大きな声で、「おう、悩めるホープ。大いに、悩むべきだよ!それにしても、あと、もうちょっとだったんだけどなぁ~悔しいねぇ~」みたいな豪快トーンでゲラゲラ笑ってくれたのが、また、嬉しかった。 III部長とは、その後も、仕事を通じて、お付き合いがあり、社内で会うたびに、「うちは、いつでもOPENだから」っと言ってくれる。
僕が、ながく海外拠点で出張していた時も、そこにIII部長は出張で来られ、会議なんかで、人出不足で、どうにかしないといかんぞ!ってな深刻なテーマを論じている時に、「人は、どうにかできるだろぉ~」ってなコメントを、アイコンタクトで視線を送りつつ、しつこく笑顔で主張しているシーンなんか、可愛いオジサンって感じがして、相当な恩師だよね。
こんな豪快な、トンチの効いた、ナイスな部長に、僕もなれるかな?

PS:
昨日のブログにも書いたけど、はやりテスト週間が始まると、忙しくなるね、さすがに。今回は、それに加えて、ビジネスプラン(新規事業案)のプレゼンもあるため、その総纏めとプレゼン資料つくりで、追い討ちをかける。先週の土日は、寮のラウンジにメンバー全員が缶詰になり、一気に資料作りを仕上げた。朝から晩までのブ通し。ピザとか宅配してもらって続けた。今夜も、細部の詰めで、21:00~3:00まで、どっぷりっと議論。もうココまで来ると、ファイナンスのキャッシュフロー創出策や、マーケッティング手法とかを議論する事よりも、資料に訴える「単語選び」に時間を要している。
面白い事に、他人からしたらどーでーもーいーでーすーよぉ~♪に思える英単語を巡り、議論は白熱する。ここでは、ReliableよりもRedundantの方が学術的だとか、Sophisticateだぁ、いや、Provenだぁ、いや、High-Qualifiedだぁ、絶対、これだぁ!って各国代表者の気分で白熱する。以前、言葉の定義で金田一春彦氏をブログで取り上げたが、まさに、その世界。Prideではなく、ここでは、Self-Respectが適してるのではないか?いや、Self-Esteemの方が、格好良いだとかね。
これって、それぞれの文化、歴史、価値感、感性を繁栄しているから、面白い。そんな事を、アメリカのとある女性と以前、メール交換したら、面白いサンプルを提示してくれた。Conservative(保守的)って言葉をどう解釈するかって事例。その逆のProgressive (革新斬新的) ってのは、だいたいがアメリカの方向を向いているからベクトル角度は近いものだが、保守的の解釈は、その国、歴史、育った環境、個性を反映するものに思える。
とあるアメリカにいる女性は、さすがに賢い事に、日米の保守的思考の相違をSEX避妊に対しサンプルしている。これは、分かりやすいメタファー(直喩)なので、パクラセて貰います。日本では、歴史的にも、明るい家族計画は、広く文化として普及している為、避妊に対して比較的オープン。しかし、その日本でも、結婚前でのデキチャッタは、世間体を気にする余り、なにか、恥ずかしい雰囲気を未だに与える環境が出来上がってしまっている。実際には、30%以上の日本人結婚の婚約理由が、妊娠にあるにも拘らず、未だに、結婚前の妊娠を良しとしない人は、要するに「なんで、コンドームを着想して、ちゃんと避妊をしないんだぁ!」って訴えるのが、日本的保守思想かな? 
一方、アメリカは、避妊は、宗教上からタブー。ましてや中絶手術は極タブーどころか、未だに、大統領選挙の票獲得マニフェストに詠われ、州法律は、その改訂でニュースになる。その為、アメリカの保守層は、避妊は、神の御加護に逆らうもので、あってはならないと、相当な迫力でデモする。そんなアメリカ的保守思想は、できちゃったカップルに対し、「良かったわねぇ~。神様の御加護だねぇ~。おめでとう!」って事になる。美しいね。
しかし、アメリカの革新思想家は、ニューヨークのビジネス社会でバリバリ出世を目指し、隙あらば、会社を買収しようと野心的な奴で、ノースモカーで、フィットネスに通い、自己管理を徹底する事で自分を美化する。アメリカ的革新思想は、できちゃった結婚に対し、「凡人だ。自分の人生設計も出来ないやつに、未来はない! ちゃんと、コンドーム使えよ!」とかって冷たい視線を送るんだろうね。
要するに、僕の結論としては、結婚前のデキチャッタ事件は、日本的保守思考=アメリカ的革新思考って新しい公式が成り立つ。どう?ある国では、保守的なんだけど、ある国では、革新的っと評価される。この世に、万人に通用する辞書は存在しない!って事が証明できたかな。。。。(我ながら、うまく、まとまった。ホッ)