2007年7月9日月曜日

起業家精神を養う


今学期のもっとも重要な必修科目の中に、Entrepreneurship(起業家精神)という面白いコースがある。内容は、今までMBAクラスで学んだ、戦略、財務、マーケッティング、組織論、なんでもかんでも織り込んだ、言わば、集大成ともいえるコースで、7月末には、自分達のチーム(5名)で、新しい新規ビジネス案を作成し、その具体案を発表する事になっています。授業の範囲なので、実際のビジネスとは当然、違うのですが、イメージを具現化するステップは、同様だと思っています。
最終発表時は、投資家(各教授達)に対し、すばらしい新規起業案であるとプレゼンをし、初期投資、キャッシュフローをまかなう必要金額の投資をお願いする事となります。どんなに自分達が、すばらしいと思うアイディアでも、投資家にとって魅力なければ、駄目なんです。厳しい世界ですね。
そんな事で、仲のいい連中で、5名のチームを形成しました。国籍は、ミャンマー、マレーシア、中国、モンゴル、日本(僕)で、バラエティーに富んでいます。すでにこのチームで、3ヶ月くらい構想を組み立てていますが、いよいよ、残すところ3週間の大詰めになって来ました。初めの1ケ月は、ひたすらブレインストーミングをして、50くらいの新案を発想しましたが、どれも長所、短所があり、面白そうなビジネス案でも、市場マスがなく、ビジネスとして成り立たないケースが多く、試行錯誤しました。っで、やっと、ひとつに纏まりました。
【ビジネスアイディア】
ターゲットカスタマー・・・外国人旅行者、在留者(中国、韓国、英語人)
提供サービス    ・・・電話による通訳
収入源    ・・・プリペイドカード販売し、100円/分のサービス料徴収
費用         ・・・通訳固定費が高く、在宅にて能力ある学生、専業主婦を採用
サービスイメージ1 ・・・旅行者が、箱根のホテル予約手配に難航し、サービス利用
サービスイメージ2 ・・・在留者が、病院の意思診断結果を把握したく、サービス利用
2006年時点で、外国人旅行者は、730万人/年、在留者は、200万人ほどの市場です。その中で、サービス提供言語以外のベトナム人、ブラジル人などを除き、日本に5年以上滞在している人、配偶者で日本人と結婚している人などを除くと、潜在市場規模として、400万人+20万人ぐらいとなります。 旅行者は、コンタクトツールを持っていないので、空港での携帯電話サービス会社とタイアップするか?TV、新聞広告による認知度アップは、効率が悪く(日本語できないから見るわけない)、大使館、各役所を中心に攻めるか?っとマーケティングを今は、練っています。
ここから何を学ぶか?
先頭でも述べたように、このコースは、MBA集大成です。必死に、PL、BS、キャッシュフロー、損益分岐点、ポジショニング、ユニークネス、マーケッティング手法とそれは、それで、勉強になるのですが、実は、もっと、基本的なことで、重要なことを先日、学びました。我々は、チームで行動するのです。そのチームワークこそが、実は、仕事の効率を上げたり、高いアウトプットを出す為には、潜在的に求められるのです。ある日、チーム内で、ビジネスプラン構築の進め方で、議論になり、口論になり、一旦、打ち合わせを中止するといった出来事がありました。喧嘩までのレベルの低い話ではありません。ただ、進め方(コンセンサス法、完全否定法、ブレインストーム法)において、場面、局面ごとに、自然の雰囲気、成り行きで、今まで決めていました。しかし、チームの一人が、何かしらのストレスを感じていたのでしょう。爆発しまして、「Don't manipulate me! (俺を、誘導、操作するような事をするな!)」っと発言しました。相当、怒っていた雰囲気でした。 まぁ、内輪の話ですし、大人の話ですので、ここでは、細かく書きませんが、これは非常に良い勉強(経験)でした。
みんながHappyなチームは、だらだらと、コンセンサスムードで、時間が掛かり、結果、アウトプット低いのが、常です。逆もしかりで、みんながUnhappyなチームでは、足の引っ張り合いで、アウトプットは更に悪くなるでしょう。これらは、当たり前の話。MBAコースで、散々、組織論を学んでいきましたが、いよいよ、実践の時が来ました。
結果、その口論は、我がチームにとって、良かったと思っています。運動部のキャプテンとか、まぁ、生徒会の会長でも良いですが、この微妙な手綱さばきは、誰も教えてくれないし、経験を通じて、自分で掴むしかないんだよね。僕が、自分の手綱さばきが上手いとは思いませんし、まだ、改善の余地は多いにあります。余り上手すぎると、Don't manipulate me!っと、相手に対してストレスを与える事になります。この微妙なサジ加減は、過程における、みんなをHappyにする事が最終目的ではなく、チームワークの結果(成果)として、みんなをHappyにさせる為に、必要なSkillです。 勉強になるなぁ~。