2007年7月11日水曜日

終わりなき日常 を解く


とあるアメリカに住む女性が、新宿ホームレステーマを読んでお便りをくれた。その中で、「終わりなき日常」ってな言葉を見つけた。なので、今日は、このテーマにて、自分なりに解読してみる。終わりなき日常とは?これは、社会学者の第一人者宮台真司が、1998年に出版した、「終わりなき日常を生きろ。オウム完全克服マニュアル」の中で、終わりなき日常を定義している。
自分は、この本を買って読んだわけではないし、アマゾン書評からコメントを借りると、「終わりなき日常」とは、「成熟社会では色んなものが簡単に手に入りすぎるため、終わりなき日常を楽しんで生きることが難しくなる。そこで人々は無理に充実感を求めて、国家のために、とか全人類の平和と幸福のためになどとスケールの大きな自意識過剰に陥りがちである。そのために我々はこの終わりなき日常を飽きずに まったり” と生きる智恵を身につけなければならない」と宮台氏は、メッセージを送っているようだ。さて、誰に?
宮台真司は、ブルセラ、売春などの社会風情を独特の視線で分析する第一人者だが、“まったり”をどう解釈するかが、次のテーマとなる。終わりなき日常を生きるとは、何が良いのか悪いのか自明でない世界を生きることであり、混濁した世界の中で生きる知恵が、今必要とされている。 その知恵=まったり っであるらしい。勉強して、いい大学に入って、いい企業に入って、そのあとに何があるか?何か劇的な変化はあるか?そんなものはない。それが、終わりなき日常。 劇的な変化なんてないからこそ、冴えないやつは一生冴えない、モテないやつは一生モテない、そして、今の社会はそれを救う受け皿なんてもっていない。だから、最初からそういうのをあきらめきって、まったり生きようと。そうじゃないと、必ず犠牲者が出るよ、社会のコミニュケーションスキルレベルが底辺の連中は必ずイタイ目見るよ、っと宮台氏は、メッセージを送っているらしい。さて、誰に?
彼は、悩める10代をフィールドワークによりインタビューする事により、ある意味、彼らに市民権を与えた意味で僕は評価している。売春する少女を一方的に「駄目だ!」って論じない、それを生み出す社会を取り巻く諸問題、売春はその縮図に過ぎず、また、売春する少女は、彼女の中で、期待できない終わりなき日常を生きる為に、まったり=売春する事により、必死に生きる知恵を身につけている。彼の中では、その知恵を持たずに、自意識過剰な充実感追求が、結果、オウムを生み出したのではないか?っと仮説を立てている。 なるほど、面白い。

彼のメッセージをどう受け止めるか?
面白そうだから、本を買って、読んでみようかなぁ?って思ったけど、アマゾン書評を読んで、この本は、僕へのメッセージではないな?っと思ったので、読むことはしません。自分が、社会の弱者じゃないからって事ではなく、この本は、今の僕向けの本ではないと判断したから。ただ、これは、彼の否定ではなく、彼には、凄い鋭い視点で、社会全体を表現している事に、尊敬はしている。ある意味、宮台氏のコメントは、正しい。混沌とする現代を如何に生きるか?絶対、回答はすぐには見つからないし、ひとつに絞る事もできないだろうし、回答自体も存在しないとは思うが、もう少し、自分なりに問い詰めたいと思っている。今だけは・・・。個人の価値感、美意識次第ってな最終回答になる事も想像できるけど、ぜも、ちょっと、挑戦してみようと思う。オウム的思考には、陥りたくないけど、この終わりなき日常に、充実感を求めて、戦ってみたいと思う。きっと、自分でも、なにか、出来ることがあるはず!
PS:Dear とあるアメリカに住む女性
お便りの中で、卒論に悩まれているそうですね。博士号論文は、相当、苦労するそうですね。別の経験者から、聞いた事があります。僕の知らない世界ですが、あなたが言うように、論文作成工程は、創造性と独創性が求められ、どこにも正解なんてなく、その真実がないものに取り組むという途方もなく、孤独と不安だけが積み重なる、決して、“まったり”っと生きてられない状況である事を想像します。あの石倉洋子も本の中で、博士論文作業に難航し、その時、出会った人に相当、心が安らぎ、感謝しているとのコメントがありました。ってなことで、あなたと、悩める終わりなき日常に悩むみんな(including 僕)に、次のコメントを贈りたいと思います。 混沌とした時代をどう生きるか?

04年アテネ女子マラソン金メダリストの野口みずきのコメント
自分が走ってきた距離だけは、裏切らない!
 ↓
そうすると、きっと、
96年アトランタ五輪で銅メダルの有森裕子のコメント
メダルの色は、銅かもしれませんけれども・・・、終わってから、なんでもっと頑張れなかったのかと思うレースはしたくなかったし、今回はそう思っていないし・・・、初めて自分で自分をほめたいと思います。

泣けるね。さて、ぼくは、今から、泣きます。Good luck!