2007年7月19日木曜日

典型的な駄目ラーメン屋


長男が、幼稚園の友達から、新しい言葉を教わってきたらしい。奥さん曰く、「トウベイか?」って、「欧米か?」or「南米か?」をどうやら、間違えて習得してきたらしい。ほのぼのとしたHappy Momentsだが、そんな会話をした後、電話を切った僕は、トウベイか?って単語を、“盗米か?”って、一人で想像し、「日本の思考、政治、文化も、アメリカへ右習えか?いや、絶対、アメリカのコピー版ではない、日本独特な良い文化もあるはずだ!」なんて、気合入れて考えていた。結構、頭悪い子の思考回路だと、つくづく、思います。でも、これが、楽しい。
そして、今回のブログのテーマへと続く。タイトルこそ、けなしたような表現を使ってしまっているが、僕は、実は、この典型的な駄目ラーメン屋ってのが大好きである。大学時代にも、学校の近くに、こんな駄目なラーメン屋があって、正式には、中華料理屋だけど、なんか、そこには、古き良き日本の生活が凝縮されているっと感じるから大好きである。
僕の定義する駄目な中華料理屋
1)お客は、サラリーマンか男学生のみ(女性客は、絶対に居ない)
2)店内は、綺麗ではなく、床はベトベト。だから、絶対に、荷物を床に置きたくない
3)絶対、テレビがあって、確実に、ナイターを放送している
4)決まって21:00が閉店で、ナイターが延長している時だけ、21:30まで開店している
5)放置してある新聞紙が確実に、ホッチキスでご丁寧に束ねてある
6)その新聞が、なんでかなぁ~って処に、餃子のたれのシミがついてる
7)絶対、老夫婦2名にて店を切り盛りしている。息子達は、手伝わない
8)店名は、xxx軒、yyy軒ってのが定番
9)ラーメンは、確実に、しょうゆ味のみ
10)昔は、出前対応してた雰囲気だが、今は、もっぱら、店内販売のみの
一見、ぜんぜん駄目な中華料理屋なんだけど、こういう店がなかなか潰れない。渡る世間のラーメン屋を10倍小さくした感じの店の事を、僕は、表現しようとしている。東京は、一迎さんが多いから、成り立つのも理解できるが、地方(田舎)でも、そこは、地域のネットワークと化し、毎晩、固定客がビールなんかを飲む集いの場となっている。店名もあるのだが、そういう店に限って、交差点の脇にあるため、「かど屋」とかのニックネームがついて親しまれている。なぜだか、分からないが、ラーメンは不味いのだが、ニラレバ炒めと餃子は、結構、美味い店が多い(555統計的観測から)。
最近は、綺麗なお店が目立ち、新橋辺りでも、立ち飲み居酒屋は多いのだが、そういったコンセプトの中華料理店が少なくなっている気がする。だって、今まで10ヶ月くらい新橋周辺を歩いているけど、なかなか、見つからなかったし、格好良いコンサルタントが推奨するように、プロフェッショナルなラーメン専門店や、女性も入店しやすい中華料理屋が増えてきている状況の中で、ますます、この典型的な駄目中華料理屋は、希少価値を増しているようにも思う。
っと、言う事で、新橋駅西口付近に発見した、例のごとくzzz軒って名前の中華料理屋に入った。本当に、コテコテで、僕の定義する10のクライテリアを全てクリアーしてたし、更に、注文したものは、餃子と二ラレバ定食だったが、餃子は不味かった。でも、ニラレバは、美味かった。あの脇役で出てくるスープと、お新香がポイントを高めているんだなぁ~って、当然、把握している事実なんだけど、今回、再認識した。最近は、ナイターが、丁度21:00に終わるので、今回の店の看板娘(オバちゃん)は、21:00にラストオーダーだよぉ~って店内を歩いていた。まぁ、ナイター中継時間だけが変わっただけで、この風景は、10年前の僕の大学時代と全く同じであった。
ここから何を学ぶか? (毎度の事、強引だなぁ~)
ハーバードMBA取得者で、投資銀行に勤務する青年を冷やかした面白い小話がある。下記、555日本語訳。投資銀行に勤務する若きアメリカ人が、小さなメキシコの海岸でボーっとしていると、小さな船に乗った一人の漁師が、ボートを岸に付けていた。小船には、数匹の黄色い魚が入っていた。
アメリカ人:
綺麗で美味しそうな魚だねぁ~。それを捕るのに、どのくらい時間が掛かったの?
メキシコ漁師:
ほんのちょっとの時間だよ。
アメリカ人:
それなら、なんで、もっと長い時間、沖に居ないの?そうしたら、もっと、たくさん取れるんでしょ?
メキシコ漁師:
家族養うなら、これだけあったら、十分だよ。
アメリカ人:
でもさぁ、残りの時間は、何するの?
メキシコ漁師:
遅くまで寝て、魚をちょっと捕って、その後は、子供達と遊ぶ。そして女房とワイン飲んで、仲間達とギター弾いて遊ぶんだよ。これでも結構、忙しいんだよ。
アメリカ人:
僕は、ハーバードのMBAを持っているんだ。僕に任せて!もっと、漁に時間を費やし、そして、大きなボートも先行投資として購入する。魚が一杯取れたら、どんどん大きなボートに変えていく。一杯取れた魚は、仲介業者に卸すんじゃなくて、直接、加工センターに納入し、最終的には、缶詰工場のオーナーになれる。そしたら、この小さな漁村を後に、メキシコシティーへ引越できるし、ロサンゼルス、または、ニューヨークに進出して、会社をどんどん拡大できる。
メキシコ漁師:
しかし、どのくらいの時間が掛かるんだ?
アメリカ人:
15年から20年くらいかな。
メキシコ漁師:
そしたら、何か、良いことあるのか?
アメリカ人:
(冷笑して)、Come on! IPO(株式上場)させるんだよ。高い値段で会社を売って、お金持ちになるんだよ。億万長者にだってなれる。
メキシコ漁師:
億万長者になったら、良いことあるのか?
アメリカ人:
(冷笑して)、その後は、仕事なんかしなくてもよくて、小さな南の島に移住して、遅くまで寝ていて、たまに魚なんか捕って、子供達と一杯遊んで、女房ともワインなんか飲んで、一杯、ギターしてエンジョイできるんだぜ!
メキシコ漁師:
????????
人間って、面白いね。それぞれに、それぞれの価値感があるって、面白いよね。こんなちょっとしたHappinessを、典型的な駄目中華料理屋でオーナーと共有しました。時々、テレビもなくて、ラジオだけを流している、そんな中華料理屋があるよね。それは、もっと、価値あるね。みんな、無言で、ラジオから流れている音声を聞いている姿が、愛らしい。That is a life.