2007年8月1日水曜日

ヤバい経済学1/3 米国犯罪件数減少を問う


左の本を読んだ事ありますか?最近、書店で購入し、読んでみたのでブログします。本のタイトルは、「ヤバい経済学」(Amazonリンク)です。結構、書店の棚に大きく在庫してましたので、有名な本ではないかと思います。実は、この本に出会うまでには、ストリーがあるので、それをブログにします。
仕事の関係でアメリカに半年ほど生活した事がありまして、その時の仕事の内容は、現地子会社の業務フローを見直し、改善し、それを半年掛けてプロセスに落とし込み、徹底しよう!っと言った今振り返ると、ちょっとした小さなコンサルティング会社が手掛けても仕事として成り立つ任務を遂行したことがあります。今、思えば、ツタナイ英語を駆使し、関係部署含め業務フローや課題をヒアリングし、それを纏め、なにが課題かを洗い出しました。その結果を受けて、新しいあるべき姿へとビジョンを描き、それをプロセスに落とし込み、浸透させるといった、文字で表現すると結構格好良いじゃんって思えますが、まぁ、実際は、地べた這うような、日本の上司からのプレッシャー厳しいとても骨の折れる仕事でした。
そんな時に、ひとりの女性(当然、アメリカン+金髪+白人+綺麗な方だったなぁ~)と出合う事となります。彼女は、私の受入先部署で10年程働いている40歳を若干超えた女性でした。正直、現地子会社は、彼女なしでは業務が回らないほど、彼女は業務を理解してましたし、プロセスの中でもKey Womanっとなって働いていました。アメリカ人には、珍しく、負荷が高くなったり、納期厳しい業務多々の時は、結構、遅くまで仕事してましたし、週末に会社に行ってみたりすると、彼女もオフィスに居た事とかありましたから、本当に働きバチのような女性でした(管理職でもないのに・・・)。要するに、僕が、任務を全うする為には、彼女から情報を得られれば、効率は急上昇という事になります。
実は、彼女は、スモーカーですので、よく一緒に、「タバコ吸いに行くよ!Come On!」ってな感じで、1回/Every60分の頻度で、喫煙場所でダベッていたのが、懐かしいです。僕は、シャイなので、なかなか誘えなかったですが、9割くらいは、彼女の方から、誘ってくれたので、それは、正直、嬉しかったですし、仕事の情報収集できましたし、アメリカ南部の文化吸収できましたし、いっぱいSpeakUpする練習になりましたし、Listeningの練習にもなりましたし、彼女を通じて他部署とのネットワークも拡大しましたし、彼女には、相当、感謝しています。
実は、僕は、週末にClaron University(アトランタ近郊にある私立大学)にて英語クラスを聴講してましたし、会社の近くになる無料Englishクラス(みんなメキシコ人、南米人ばかり)にも時々、通ってましたし、それらのアレンジを彼女がしてくれました。自分がMBAを目指す事を決意した後には、もっと、もっと、英語にDeepに触れたいと会話したところ、彼女の娘(Gerogia大学生)が先生となり、2回/weekの割合で、60分個人レッスンを受けてもいました。全部、見返りを求めないボランティア精神で、彼女は、面倒を見てくれるので、本当に、大感謝です。
帰国前日に、家庭教師代として200㌦くらいを封筒に包んで、感謝の意を込めて、娘に渡そうとしましたが、受け取ってくれず、彼女も受け取ろうとせず、なんだよ、ここは日本かよっと思うほど、「いやいや貰ってください」「いやいや、そんなに気を使わなくていいですよ」「いやいや、貰ってくれた方が、僕も嬉しいのです」「嫌だわぁ~、そんなつもりはないのに!」みたいな会話をしてやっと200㌦を受け取らせた事を思い出します。
今、思えば、3月後半にアメリカから帰国し、4月14日にMBA面接受けて、その日に、次男生まれて、4月末にMBA合否決定するけど、TOEFL点数上げろ!ッて言われて、本当に、ドタバタな生活を過ごしてましたが、彼女には、お世話になりましたメール「無事、次男も生まれたよ&MBAも合格したよ」ってメールしたところ、返事のメールで、一冊の本を推薦されます。彼女曰く、「555は、Analysis(分析)が好きだし、細かい事大好きだし、父親でもあるので、この本は気に入ると思うわ!」って言われたのが、この「Freakonomics(日本名:やばい経済学)」(Amazonリンク)でした。そうです、トップ左の本です。
当時、早速、アマゾンで原書を購入し、読もう、読もう、読もうっと思ってましたが、難しい内容なんです。東京にも、この本を持って来ていますが、時間がなかったり、読もうと思っても、相当、難しいんです。単語といい、文法といい、ネタがコロコロ変わる文章構成といい、本当に難解な本なんです。MBA勉強前は、僕の英語力が駄目だからっと理由付けしてましたが、今になっても、読解不能です。 っと言う事で、逃げるように、日本語訳版を先日購入して、読んでみましたが、驚いた事に、日本語でも本当に難しい本でした。だから、絶対に、英語なんかで読めないと思いましたし、日本語でも、もう分からないところは無視しながら飛ばすように読みました。この本が、実は、日本でも結構売れてるって言うから、みんな本当に理解してるのかなぁ~って思います。世の中、頭の良い人は多いわぁ。 本当に、この本は、ヤバぃよ。だって、そもそも、英語タイトルのFreakonomics自体も英語辞書には載ってないですし、造語として分解した時に、Freak=変人、マリファナ中毒者って事で、尋常じゃないです。まぁ、こんなの私、好きですけど・・・・。
---- やばい経済学の面白トピックの例 ----
なぜ、アメリカの犯罪発生件数は、1990年初頭に、なぜ、激減したか
世の中、いろいろなデータ、情報があるが、皆、分かった様に解釈しているが、それは、浅はかなレベルでしかない!っといった事を多角的にサンプルを挙げて解説しています。例えば、80年代後半~90年代前半に掛けて、アメリカは、犯罪天国国家になりつつあり、少年犯罪は増え、殺人件数も増える一途で、社会問題となります。当時の専門家は、今後も、犯罪は増え続け、減るどころか、犯罪率の上昇率は、10%/年以上も増加すると予測した専門家も居たぐらいです。その理由として、ドラッグ蔓延、銃による殺人、不景気っと、犯罪発生には、様々な社会情勢が間接的に絡み合っており、多くの関係者(政治家、犯罪研究家ら)が、政治案件として、この大問題に取り組む事となります。ニューヨークが警察官を増やしたり、フレディー銃規制が強化されたりした事は、皆さんも承知でしょう。
イラク戦争開始によりアメリカ経済も上向きになりつつある中で、90年代前半より、犯罪件数は、大方の予想を裏切り、激減していきます。最近は、ニューヨークは安全になった!みたいな事を、旅行誌にも書かれる様になりましたね。なんででしょうかね?ニューヨークのジュリアーニ市長が、頑張ったからですかね?クリントンが、ブレイリィ銃規制法を制定したからですかね?ブッシュ父が、イラク攻撃して、景気が良くなったからですかね?
「歴史は繰り返す!」って言いますよね。だから、歴史を学ぶ事は、重要って言いますよね。ベストプラクティスって言って、他国、他社の成功例を真似よう!ってのもビジネス社会では主流ですよね。では、もしも仮に、あなたが、とあるアフリカの大統領だったとして、国は大変貧しいが、GDPが増えるに連れ、何故か、犯罪が増え続ける状況を打破したいと考えたときに、何をしますか?何ができますか? アメリカに習って、警察官を増やしますか?内戦を起こして景気を良くしますか?貧困をなくす為に雇用創出の公共事業を立ち上げますか?ベストプラクティスも間違ったサンプルを真に受けると痛い目に会いそうです。(この本の作者は、シカゴ大の経済学者で、データ分析を間違えると、間違った方向で解釈してしまし、それが、既定概念になり、さらに、間違った結果を招く。っと力説しています。)
この本で述べられているのは、本当の犯罪件数低下に貢献した事は、犯罪研究家の誰も見つける事ができず(多くの専門家の予想が外れた)、とある市長が警官を増やし犯罪減らしたと評価されているが、それは真の理由ではない。っと述べている。では、何か? 作者は、かの有名なMM理論にてノーベル賞学者を輩出した名門シカゴ大学の教授ゆえ、膨大なデータを分析し、相関関係を調べ、上記の警察官増員、景気回復、銃規制強化だけでは、犯罪現象の理由の30%ほどしか説明できない!っと言っています。
最大の貢献理由は、1970年頃に、アメリカのとある法律が改定されます。全州ではありませんが、各州で、中絶手術が合法化され、各州に展開されます。中絶が合法であると訴えた一人の女性が、裁判に勝つことにより、その衝撃が、各州の女性を立ち上げさせ、法改正へと繋がったそうです。それから、20年経過し、当時、中絶が違法であったならば生まれたであろう子供の数分だけ、犯罪が減ったと分析しています。参考に、この本では、犯罪者の履歴データから、両親の収入、学歴、国籍、人種などと犯罪との相関を分析し、やっぱし、貧しい家に生まれ、貧しい家庭愛のもと育った子は、ドラックをさばく売人になっちゃう比率高いらしいです。
この本から何を学ぶか?
本当は、もっと、面白い話が、たくさん書かれていていましたが、ブログが長くなっちゃう事と、本そのものが難しいので、もう辞めておきます。では、この本から、何を学ぶかって言えば、視野は広く、アンテナは高く!って事ですかね。そんなの分かってるよぉ~って僕も思います。でも、アメリカの犯罪率低下を避妊法と関連付けするのは、当時、どんなにアンテナ高く情報集めても、視野を広く持とうと心掛けても、見つけられないのではと思います。凡人には、特に。だって、超マクロ経済の世界だし、「風が吹けば、桶屋が儲かる」どころの狭義ではなく、「Nasaがスペースシャトル打上失敗したら、北朝鮮がロドン2号発射して、その結果、東京オリンピック誘致成功!」ってぐらい、因果関係を結ぶのは難しい。だから、どうすれば、それを見つけることできるのか?
トヨタWayは、なぜ?なぜ?なぜ?って5回問うそうです。核心を掴もうっと貪欲になるしかないですよね。もうこれは、訓練ですし、継続しないと、そのセンスは育たないし、長い道のりでしょうね。文化、習慣の域に達しないと、駄目なんでしょうね。
って、言う事で、本なんか読んで、ブログなんて書いてHappyな時だこと。今までの仕事没頭人間生活では、気付かなかったHappinessだし、MBA初期の死に物狂い時代には、到底、感じる事のできなかったHappinessである。今は、凄く心に余裕があると言うか、こんなゆとりある生活って本当に、Happyですね。今まで、見えなかったものが見えてきて、感じなかった事に感度よくなって、そうやって、視野って広くなって、アンテナも高くなっいくんだろうね。
無理して、アンテナ高くしても、心に余裕がないと、その情報を自分のものへと吸収できないのでは・・・っと今、感じます。ゆとりねぇ~、Happyになる前提かもね。