2007年8月11日土曜日

クラスター分析に挑戦!


実は、これ、1ヶ月前に原稿書いてあった訳なんだけど、卒論終え、PCファイル整理してたら当原稿発見。まぁ、そこそこ、気に入っている内容なので、今日、ここにアップします。

Harvardの教授.マイケルポーターは、ポジショニング戦略理論の第一人者ですが、実は、クラスター分析の第一人者でもある。最終学期の選択クラスに石倉副学長が教えるクラスター分析の授業がある。そもそもクラスターとは、ぶどうの房を意味する言葉で、あるエリア、ある地域、ある国を産業的に分析していくと、おのずとひとつの法則に辿りつくっという理論である。実は、僕は、その選択クラスを受講していないが、クラスメートから、面白いと授業の様子を頻度よく聞いているうちに、まぁまぁ、面白そうだなぁ~って同感するようになってきた。

例えば、静岡県浜松市。戦前から繊維工業とかが盛んで、戦時中は、軍需(航空機)産業と共に、産業化を果たす事となる。終戦後は、切磋琢磨、合併を繰り返す事で、バイクといったらスズキ、ホンダ。ピアノといったら、河合。テレビといったら浜松ホトニクスっと世界的企業が今も健在である。また、その大企業を囲うように周辺には、部品メーカーが集落を作り、いつしか、オートバイ、楽器の分野では、世界的な競争力を持つようになる。当然、当時の社長の舵取りが上手かった事、事業戦略がビンゴした事など、成功した理由は数多くあるが、ひとつの理由に、地理的密集要因が大きい事も言える。

ライバルメーカーが、狭い範囲に集うという事は、情報入手、部品調達、人材確保においては、有利に働く事が多い。一方、それ故に、情報露呈、人件費の高騰等のマイナス要因も同時に兼ねる事となる。日本には、浜松以外にも、東京都大田区、福井県鯖江市、愛知県豊田市等は、超有名なクラスター地域と言える。その狭い範囲内で、競争する事で、実は、世界に通用する企業へとなるのである。いわゆる、サッカーで言うところの静岡を制する者は、全国を制するみたいな。高校駅伝で言うところの兵庫を制する者は、全国を制するみたいな。

国レベルで考えたとき、ノルウェーをクラスターの視点から語ると新しい物が見えてくる。北欧の国で、人口的にも500万人弱と決して大国ではない。携帯電話の分野では、ノキア、エリクソン(スウェーデンだけど)っと世界シェアを独占する状況となっている。しかし、今日に至るまでに、ノルウェーには、数十との企業が乱立し、そこで、切磋琢磨、M&Aを繰り返すことで、また、政治政策も規制緩和方針を取ることで、最先端の技術開発拠点となる。そうなると、世界で一番エリートなエンジニアがノルウェーを目指す事になる。いわゆる、これが、クラスター解析であり、企業が成長し、成功する為には、それに適した(それは至って厳しい世界)地域へ本社を構え、そこで戦う事が、競争優位性をもたらす事に繋がる。っと言った考え。なるほどねぇ~。琵琶湖周辺で個人ウナギ養殖屋を営むよりも、あえて、浜名湖周辺でウナギ養殖を営むほうが、一見、競争が激しく苦労するが、その苦労が、最終的には、その企業の競争力となる。っと考えると簡単である。

以上までが、今日に至るまでの産業の歴史。さて、今後の、World is FLAT(平らな地球)になると、インターネットで情報は国境を越えて、民族の流出入も制限ができなくなり、企業は、更に、多国籍化へと進化していく。更に、その変化スピードは、極めて、早い。相当、早い。また、他国のニュースが日本の経済に簡単に影響を与えるように敏感になる。中東の石油は、皆がご承知だが、中国がウナギ輸出を制限する事で、土用の丑の日-蒲焼大フィーバー。更に深堀りすると、実は、フランスでウナギの稚魚が不作な影響を日本が被るようになる。

そのような環境下で、国家として、大きい事がBetterか?小さい事がBetterか?って話になる。結論から言うと、小さい方がBetterって事になる。典型なのが、シンガポール。証券取引所だけでなく、シンガポールは、先物派生商品も市場で扱い、取引額の規模を増やしながら、アジアの中で地位を築いてきている。今になって、東京証券取引所がSGPを視察している最中。本当に、笑えるのは、東京証券所が先物を扱う事は、金融庁と農水省の管轄違いで、調整を要する事となり、そんな事に時間を費やしていると、スピードに乗り遅れる事となる。航空便にしても、完全に、成田よりもシンガポールにアジアのハブを取られたよね。また、中南米のコスタリカ。僕を含め、素人には、コーヒー生産国か?っといったイメージしかないが、小国ながら、インターネット化に成功。中南米で唯一のインテルの集積回路工場の誘致に成功するまでに、地位を確立し始めている。日本もオロオロしていると、置いていかれちゃうね。

クラスター分析から何を学ぶか?
まぁ、個人的には、何も学んでいませんが、あえて自分を厳しい環境に置くってのも、クラスター視点から考えると、自分の競争力アップに繋がるって事になる。それは十分理解できる事だが、だからといって、あえて厳しい環境に身を置くのは、大変な事で、僕の場合、大学卒業して、外資系銀行なんかに、万が一就職できたとしても、即刻、リストラされてたと思う。20代でリストラはないだろう~ってな憶測を外資は簡単に裏切ってくれそうだからね。身の丈はわきまえないといけないね。

先日のニュースで、静岡県浜松市天竜の材木会社が中国に輸出開始!っといった記事を発見した。日本で唯一、林業を専門にした天竜林業高等学校を抱える天竜では、アルプス山脈の材木加工がかつては栄華を誇っていた。(僕は当時を知りませんが・・・)。でも、東南アジアの安価な材木輸入で、紀伊地方はじめ、日本の多くの林業が衰退していった過去50年ではないでしょうか?それが、ここにきて、中国国内の物価上昇(材木2倍高騰)により、日本からの輸出にて採算見通しがたち、天竜の中小企業が輸出を開始するといった、とてつもなく明るい、応援したくなるニュースは、とっても刺激となる。これって、本当に、凄い事だと思う。いままで、厳しい環境下を生き延びてきた事も素晴らしいし、高品質材として付加価値をつけて輸出するあたり、僕は、誇りに思う企業である。こういう会社が、まだまだ、日本で頑張っているあたり、天竜材木クラスターの意地を感じられて、嬉しい限りです。成功するかは、分かりません。でも、夢を持てる、夢を与えてくれるようなアクションは、大いに賞賛に値するでしょう。勝手ながら、僕は、Happyを感じました。

なのでHappyを感じたのかなぁ?はやり、故郷が、契機付くってのは、理由は分からないけど、なんか、嬉しい事なんですよね。そこに住んでいると、そのセンスが鈍るけど、離れて暮らしてみると、その価値が染みて来る。オイラも、故郷に錦を飾ってみるかなぁ~!