2007年6月28日木曜日

Manhattan or Angkor Wat ?


いままで行ったとこのある、観光地、地域の中から、どこが一番良かった?なんて会話をした事が皆もあると思う。その回答って、ひとそれぞれ違うし、そうあるべきなんだけど、これって、面白い事に、その人のそれまでの経験、興味、価値感とかを表現しているように感じる。のほっほ~んとした人なら、沖縄の海って答える人も居るだろうし、歴史・芸術にロマンを感じる人は、フィレンチェって答える人も居るだろうね。
僕は、ニューヨークとカンボジアを2つ挙げて、そこから、ひとつに絞れなくて悩んでいる。絞る必要もないから、そのまま2つをキープしてるんだけど、自分のPCデスクトップは、NYのロックフェラーからの摩天楼写真としている。よく着るTシャツは、カンボジアロゴに拘っている。この機会に、いままで、入国スタンプをゲットした国の数をカウントしたら、Just20カ国でした。200近い国連加盟国が存在するので、まだまだ、世界の10%しか知らない。また、その10%の中でも、ほんの一部分しか、自分は体感してないと思うと、世界は広いし、まだ、知らない世界が沢山あって、ワクワクするね。
訪問20カ国の中で、カップル(夫婦)で訪れるならば、チェコ(プラハ)とイタリア(ベネチア)とかって答えるし、家族皆で行くなら、ハワイが最高って回答します。しかし、今回は、自分の興味、価値感って視点(もし、自分を見つめ直す一人旅)からピックアップすると、やはり、ニューヨークとカンボジアって事になる。前にも述べたけど、ひとつに絞る必要がないから、絞ってないけど、絞れって命令されたら、これは、相当、困る。なぜなら、この2場所は、価値感が全く異なるからである。このBlog開設の主旨でもある、What is Happiness? に戻ってしまうけど、Happiness構成要素をひとつに絞り込めないのと同じ闇深さを感じる。
【僕にとってのマンハッタンの魅力】
1)--世界ビジネスの中心地、国連、証券取引所、メディア拠点としての圧倒感
2)--人種のるつぼってのも死語だが、すべての人種、民族が密集するPassion
3)--狭い孤島によくもまぁ建てたという高層ビル摩天楼。人間の欲深さを感じる
4)--ロックフェラーから見る夕日、振り返ったときの摩天楼の夜景
【僕にとってのアンコールワットの魅力】
1)--大森林の中の孤立感、大自然と融合した圧倒感
2)--クメール民族が、王国建設に向けたPassion
3)--その後の内戦による周辺の地雷とキリングフィールド。人間の欲深さを感じる
4)--アンコールワットから見る夕日、振り返ったときの満月の美しさ
上記2場所は、共に、一人で訪問し、同じく、夕日を見ることが出来た。って言うか、あまりに感動し、アンコールワットには、半日以上居続けたので、当然ですが。アンコールワットには、結婚する前に、若かった僕は、今の奥さんを無理やり、555価値感を押し付けるように、タイ国境より、ピックアップトラックの荷台に乗って再訪問している。彼女にしてみたら、野菜と一緒に運ばれた事、途中の食堂で、チキン解体による床に散らばる鳥羽根を見て、トラウマにしてしまった。
個人的に面白いなぁ~って思うのは、マンハッタン(陽)アンコールワット(陰)は、僕の価値感の中では、対極の関係にあり、これは、古代中国思想の陰陽(左上画像)を想像させる。この世の存在するものは、すべて、陰と陽とに2分でき、互いに対立する関係にあるって考えね。万物の消滅、崩壊は、この2つの気のアンバランスによってもたらされると考えるのが、陰陽説ってことらしい。受動的な性質を「陰」、能動的な性質を「陽」に分類し、陰=影・暗・柔・水・夜・植物・女陽=光・明・剛・火・動物・男と定義している。森羅万象は、陰と陽の相対によって消長盛衰し、調和によって自然の秩序が保たれる。陰陽表では、本当に、すべての存在が、2気に分類でき、例えば、仕事に関して、陰=心理的、精神的、陽=肉体的、社会的。夫婦においては、陰=妻、陽=夫。
ここから、何を思うか?
陰陽デザインは、2次元であるが、なんか、何層にも連なる3次元であるような気がしてならない。夫婦の関係、仕事の充実、対人関係の充実、環境との調和、欲と節制の調和っといくつもの自分を取り巻く環境において、全てにおいて、陰&陽の調和が満たされた時に、Sex Ecstasy(Orgasm)をも超越するUltra Ecstasy High Maxmum Happinessに達する事が出来るんだろうね。では、どうやって、調和させるかって言うと、これって、我が母校(K高)の校訓である、「自主自律」の自律って事では?他からの支配・制約を受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動する事であり、カントが道徳哲学で述べる、感性の自然的欲望などに拘束されず、自らの意志によって普遍的道徳法律を立て、これに従う事。(ふぁ、Cacioデジタル辞書大辞泉のパクリ)。カントの道徳哲学は、辞書のパクリだけど、自分の意思によって、自分自身で規範を作り、それに従う。要は、自分なのよ。自分が、何を美しいと感じ、どうあるべきかって問うて、それに従う。自律することで、自分の中で陰陽がバランスキープされる。それによって、秩序が保たれ、Happyへと導く。
あぁぁぁ、僕は、悲しいよ。自律の本当の意味を、今頃、気付いた。決して、自主自立とは思っていなかったけど、僕の両親からしてみたら、「555は、勝手に、自分が主で、自分中心に地球は回ってるって勘違いし、自分の力で、独り立ちしたと思ってやがる!」って思ってるだろうなぁ~。陰陽説ねぇ、バランスねぇ、自律ねぇ、ジーンと来ました。っと言う事で、ニューヨークとカンボジアは、僕に影響を与えた偉大な2場所として、今後もひとつには、しません。だって、すべてが、NY(アメリカ)を目指したら、調和は崩れ、万物が崩壊、魅力喪失しちゃうだろうからね。
PS:
10年前に訪問したアンコールワット周辺は、何もない、本当にのどかな場所でした。6年程前に、今の奥さんと訪問した際には、アンコールワット前には、観光バスの駐車場が出来ていて、遺跡内部も、欧米人によって、にぎやかに変わってました。今では、特に米国系高級ホテルが建設ラッシュらしい。1週間程前の日経社説にカンボジア・フンセン首相と安部首相との投資協定への署名締結に関する記事が載っていた。日本は、1億㌦/年規模の最大のODA援助国であるが、民間投資となると、ベスト10にもランキングしない程、他国に投資ペースで遅いらしい。今後のパートナーシップに向けた両首相の握手が社説の内容であった。同じ頃、僕の住む寮にいるカンボジア人女性(彼女は、六本木のGRIPS政策研究大学院大学で財務政策専攻)と会話する機会があり、喜ばしい近年の急速な経済成長と同時に、なんか、建設ラッシュの外資ホテル等による、なにか、失われていく物の寂しさみたいなのを僕が話した時に、彼女はポカ~ンとした表情であった。僕の英語がPoorってのもあるけど、彼女曰く、「どんどん外資に投資してもらって、カンボジアを豊かにして欲しい!」って言っていた。豊かさってなにかなぁ~。確かに、カンボジアが、経済的豊かさを追求するのは、自由だし、OKだけど、なにか、あの僕を魅了した、あのカンボジアを少しでも維持して欲しいなぁ~って、本当に、勝手ながら思った。